2012年11月19日
コセンダングサとヒカゲイノコズチの種

 


 

今日もコセンダングサの薮の前を通りかかったので,
ちょっと覗いてみると,ベニシジミが種のトゲに捕まってしまい,
なんとか逃げようともがいていた。
羽に1カ所,足に1カ所トゲが引っ掛かっている。
かわいそうなのでトゲから外してあげた。
トゲの先はどうなっているのか見てみようと,
少し種を持ち帰ってみた。

 

帰宅後,種を観察。
左は,マクロレンズで等倍撮影。
写真では解りにくいが,種の先の方と2本の針は,白い毛で覆われているようだ。
右は,実体顕微鏡で拡大撮影。
針の部分は,細かい細い毛が釣り針の返しのように逆に密生している。
これが一度刺さると抜けにくくなる張本人のようだ。
種の先端の部分の毛は,針とは逆に生えているのが判る。

フィールドで撮影をしていて,コセンダングサと共に,
気をつけないと体中に種がついてしまうのが,イノコズチ。
今日はヒカゲイノコズチの種を採取。
コセンダングサと一緒に観察してみた。

 

左は,マクロレンズで等倍撮影。
細かい毛などはなく,全体に粘着質でベタッとした感じ。
種をくるむ幅の広い被片と,細長い針の替わりになりそうな被片が交互にある。
右は,実体顕微鏡で拡大撮影。
細長い被片が反り返っている。
幅の広い被片の先端もかなり鋭く尖っている。
この尖りと,粘着力で動物の毛などにくっつくのだと考えられる。
コセンダングサより,くっついた後,とりやすいのも何となく納得した。

E-M5 60mm,D5100 Fabre PhotoEX

(山梨県北杜市長坂町,長野県諏訪市末広)


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信州諏訪自然写真館
酒井雅秀