
まだ朝日の差込まない薄暗い渓谷に,叫び声に近い猿の声が響く。
  カラマツ林を見渡すと,大きなオスざるがカラマツの樹上にいた。
  時折,樹を揺らしながら大きな声で吠える。
  どうも,群の仲間に,人間が一人近づいていることを知らせているようだ。
  ということは,群はどこにいるのかな・・・・。
 
渓谷に日が射すと,群が活動開始した。
    どこからともなく多くの猿たちが現れてきた。
    カワラでドングリを拾って食べたり,樹に残った木の実をむさぼったり・・・。
  鳴いたり,吠えたり,大騒ぎで食べている。
 
しばらく食事タイムが続いたが,少し静かになった。
  岸に一組の親子を見つける。
  小猿は,親猿に遊んでよといったポーズを盛んにとるが,
  親猿は,どっかりと座ったまま。
  時々小猿に何か声を出して伝えているようだ。
  群の多くが少し離れた場所に移動を始めたが,
  この親子は動く気配なし。
  小猿は群についていきたそうだが・・・。
 
小猿は仕方なしに,落ちている枝から木の実をむしって食べたり,
  草をむしったり,一人遊び。
  親猿を見ると,
  なんと寝ている。
  お腹を上に後手をついて,こっくりこっくり・・・・。
  お腹いっぱいで,日だまりにいるとこうなるのかと納得。
  しばらくすると,大きなあくびをして起き上がり,
  小猿をつれて群に合流した。
E-5 70-300mm(一部トリミング・合成)
(長野県辰野町 横川渓谷)