2019年7月29日
エルタテハ


 

 

亜高山帯に,エルタテハを多く観る季節となった。
溶岩の大岩が,露出している所で,
2頭が吸水していた。
雨が降り,岩の成分を含んだ水で湿っている。
上のカットは,別個体。
前翅縁の色の濃さや,その内側の黄色斑などが異なる。

 

こちらは,コンクリート壁で,吸水していた個体。
やはり,コンクリートから染み出る水には,
軽金属類が含まれている。
前2個体より,更に明るい色合いの個体で,
エルタテハの,翅の斑構成の基本が,よくわかる。

 

吸水とは別に,樹液も良く吸う。
樹液の良く出ている,ヤマハンノキの枝で,
樹液を吸っている個体を,見つけることができた。
しばらく観察していると,ヤマキマダラヒカゲもやってきた。

 

やってくるヤマキマダラヒカゲの数も,だんだん増える。
そのたび,エルタテハは,追い払うような行動をする。
翅を開閉し,威嚇しているようだったが,
1頭のヤマキマダラヒカゲが,
一番良い吸い口を確保したらしく,
エルタテハは,ヤマキマダラヒカゲの触角や,翅に脚をかけ,
激しく追い払おうとしだした。

 

ついに,怒りの頂点に達したのか・・・。
ヤマキマダラヒカゲに,のしかかり,
体を脚でつかんで,はばたき,引き離した。
この後,エルタテハは,すぐに戻ってきて,
一番良い場所を,手に入れることができた。

 

D7100 150-600mm,E-3 50mm

(長野県佐久市)


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信州諏訪自然写真館
酒井雅秀