2023年5月20日
クモマツマキチョウ 目覚め・交尾・産卵

 

 

石垣のイワハタザオで,やっと目覚めたであろう
クモマツマキチョウを観る。ここで夜明けを迎えたのであろう。
近くを見回すと,土手の上のフキノトウにもう一頭寝ている個体を観る。
しかし,撮影できる場所ではないので,この個体を見守ることに・・。
朝日が当たっても,なかなか行動する気がない。
しばらく観察していると,気温が上がってきたので,
やっと翅を半開翅して,体を温め始めた。

 

しばらくすると,フワッと飛立ち,日当りの良い葉上に降り
じっくりと日向ぼっこを始めた。
すると,日向ぼっこしている個体に,
フキノトウで寝ていた個体が絡んできた。
ちょっと絡んだだけで,お互い日向ボッコを始めた。

 

体が温まると,早速朝一番の吸蜜を行う。
長時間吸蜜をした後は,メス探しの飛翔に移る。
イワハタザオの花を次々と渡り歩き,
メスがいないか探しているようだ。

 

そんなオスを追っていると,向こうからメスがやってきた。
イワハタザオにとまり吸蜜し始めたメスに,オスが覆いかぶさる。
左上のカットでは,メスの頭と後翅の一部しか観えないが,
オスが執拗に求愛をしている。
しばらく観ていると,交尾が成立した。
イワハタザオの花先で,ゆったりとした時間が流れ始めた。

 

交尾中のメスとは別のメスが飛来。
産卵するイワハタザオの株を品定めする様に,
一株一株を渡り飛ぶ。
そして気に入った株に出会うと,じっくりと産卵を開始。
上左のカットでは,飛来したイワハタザオに,
すでに産卵された卵が写っている。

 

ここのイワハタザオには産卵された卵も多く観察できる。
クモマツマキチョウ独特の,オレンジ色の樽型の卵。

D7100 150mm,10.5mm,TG-5

(長野県大町市)


| 前のページ | 次のページ |
| トップページ | フィールドノートindex |


信州諏訪自然写真館
酒井雅秀